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展覧会の絵

吹奏楽

令和5年2月26日(日)

本日は記念館での練習日。

入試期間で校内には入れません。

狭いですが、それでも練習できるだけありがたいです。

基礎合奏

まだまだテスト期間のリハビリ。

思うように楽器がコントロールできていないようですが、少しずつ取り戻してきているようです。

まず、mfでまっすぐ吹くこと。

これは筋トレと同じで、時間をかけて積み重ねる必要があります。

考える事も大切ですが、その上で「時間」が必要です。

「学問に王道なし」

学問において、ゴールまで高速道路のように整備された道は無いという格言。

ちなみに「王道」は、アケメネス朝ペルシア(前550~前330)のダレイオス1世 位前522~前486が整備した、スサからサルデスに存在した「王の道」を指します。

広大な領土を支配するアケメネス朝では、経済の大動脈として人、モノの移動を活性化させました。

また、軍隊の移動も素早く実行できることで治安が維持されました。
これが一層貿易を活発にし、経済活動が盛り上がりました。

ということで、ロングトーンに王道なし。
毎日、毎日積み重ねて磨きをかけて行きましょう。

発音

エアータンギングでのトレーニング。

ここから、息とタイミングを合わせて軽くタンギングをしながら音形を美しく整えました。

あっという間に美しい発音になりました。

しかし、原理、原則を理解していないと、またすぐに戻ってしまいます。

基礎合奏でできたことを、個人、パートでも意識出るのか!?が重要です。

ダイナミクス

pとf。

しっかりと響きのある音でpとfを作ることは大変重要です。

まだまだダイナミクス・レンジが狭いです。

また、響きを失った音になってしまっています。

これも、基礎合奏で確認しながらやっていけばそれなりに豊かなサウンドでダイナミクスを付けられました。

すべてに通じますが、「意味を理解する」こと、そして「気を付ける」こと。

これが揃えば、後は自分たちの練習で意識をし続ければOKです。

「理解」と「意識」と「継続」。

これが成功の3要素です。

頑張っていきましょう!

Journey

川端結さん作曲の「Journey」を、先日のフライングカープウィンドオーケストラ・シンガポール演奏旅行に続いて、FWOでも演奏させていただきます。

短いオープナーに適した作品ですが、それなりに歯ごたえのある作品です。

午前中に分析をして、和声を生徒にも伝えました。

やっぱり分析をしっかりすると、色々なことが見えて来て合奏が楽しくなります。

分かれば分かるほど楽しくなる。

これが学びの本質ではないでしょうか。

出来れば作曲者の川端くんがどんなイメージで作曲したのか聞いてみたいです。

作曲家と直接対話できる、というのは大きなメリットですね。

展覧会の絵

打って変わってM.ムソルグスキー作曲、M.ラベル編曲「展覧会の絵」を合奏しました。

さすがに全曲聞いた生徒は少ないようです。

私は小学生の頃から、サー・ゲオルグ・ショルティ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を擦り切れるほど聴きました。ちなみに、文字通りカセットテープでした。

ハンガリー出身のユダヤ系指揮者。1912~1997

ちなみに、このニューヨーク・フィルの音楽監督に2026年9月からグスタヴォ・ドゥダメル氏が就任することが話題になっていました。

情熱的でダイナミックな指揮は表情も含めて大変魅力的です。

ベネズエラの「エル・システマ」(オーケストラ教育で貧困に苦しむ子どもたちを救うという教育プロジェクト)の生んだ最大の英雄です。

ドゥダメル氏は現在、ロサンゼルス・フィルハーモニー交響楽団の音楽監督も務めており、2年前の来日公演はサントリーホール、NHKホールで鑑賞させてもらいました。

また、パリオペラ座、ベネズエラのシモン・ボリバル交響楽団の音楽監督も務めています。

これで、指揮者だけではなく作曲活動もしているという・・・。
驚異の42歳。(後厄かな。)

ショルティ氏の「展覧会の絵」は、とにかく自然な流れと解放感あふれる迫力が魅力の演奏でした。

私の耳にはそれが焼き付いていて、実際に楽譜を見てびっくり。

え・・・。5拍子と6拍子!?複合拍子だったの・・。

「小人」は3拍子・・・。え?6/8じゃない?

と楽譜を見ないと音楽が理解できない私には、驚きの連続でした。

オーケストラのスタディ・スコアでもっと深く勉強します。

ムソルグスキー

ちなみに、作曲者のモデスト・ムソルグスキーは1839~1881 と42歳の短い生涯でした。

地方貴族の出身でエリート養成校出身ながら、実家の没落後に地方官吏となって最後は公務員の地位も追われて経済的に困窮して人生を終えます。

作曲家としては「ロシア5人組」の一人に数えられ、国民楽派に分類され民謡や民族的なテーマを題材に作曲しました。

中でも歌劇「ボリス・ゴドノフ」で聴衆より支持を得て、その中の楽曲による管弦楽曲「禿山の一夜」は現在でも多くとり上げられています。

さて、今回取り上げる「展覧会の絵」は多くの友人が彼の下を去る中(なかなか酒癖が悪く、信頼を失ってしまったとされる)信頼していた画家アルトマンの死(1873年)に際して、友人が開催した彼の個展で印象に残った絵を題材に作曲しました。(1874年)

19世紀のロシア

ちなみに、19世紀後半の帝政ロシアは近代化しようと必死でした。

ナポレオン戦争勝利の立役者として「ヨーロッパの憲兵」を自任していましたが、国家繁栄のために進出したオスマン帝国を巡る戦争では、何度も英、仏、独の壁に押し戻されます。

特に1853~56のクリミア戦争での敗北は決定的でした。

これを受けて、皇帝(ツァーリ)アレクサンドル2世は「農奴解放令」を出しました。

皇帝は国民の大多数が「農奴」(農地に縛られる奴隷)では、フランス革命以降に誕生した英国、フランスなどの国民国家には対抗できないと判断したのです。

しかし、清朝(中国)と同じく、皇帝専制体制を維持したままの改革(上からの改革)はなかなか効果を発揮することができませんでした。

結局、偉大な一歩であった「農奴解放令」後も農奴は存在し続け帝国ロシアが国民国家になることはありませんでした。(実はロシア革命後、現在に至るまでも・・・)

1877年にはロシア・トルコ戦争でドイツの介入(ビスマルク)によって、南下政策(不凍港を求める領土拡大方針)は断念せざるを得ませんでした。

これを機に、帝政ロシアは活路を東アジアに見出し、清朝への進出を本格化させます。
これが、のちの1904年日露戦争の原因になるわけです。

さて、ムソルグスキーが生きた時代、ロシアはまさに旧体制と新時代の「自由」の精神が入り混じった混乱の時代だったのです。

民族音楽を取り入れた「国民楽派」ですが、この作品にはいわゆる民族音楽以上のものが感じられます。

短い生涯でしたし、作品数もそこまで多くありません。
しかし現代では大変人気のある作曲家となりました。

生前は評価されなくても、歴史が評価しているのでしょう。

プロムナードは展覧会の移動を表現しているテーマです。

これをトランペット独奏で編曲したラヴェル版が最も有名。
他にもリムスキーコルサコフなど、名だたる作曲が編曲していますが、私はラベル版が大好きです。

吹奏楽版には中橋愛生氏、高橋徹氏の編曲も取り上げられますが、私はどうしてもラベル版を演奏したくて、保科洋氏吹奏楽編曲を使用します。

さて。

まだ練習が始まったばかりとは言え、合奏に参加した全員が

「やばい!」

と思ったはず・・・。

課題曲5番の最初の方みたい。

いやいや、「木星」を合奏し始めたころのよう・・・。

でも、不動岡生はここで「無理!」とは言いません。(言わせません!)

「出来る!」と信じて、努力し続けられる生徒たちです。

ぜひ、5月の定期演奏会で披露される「展覧会の絵」(全曲!)をお楽しみに!!

ちなみに、40分ほどの全曲を吹奏楽で聴ける機会はそうは無いと思います・・・・。

いや~これは本当に大変。

気合入りますね~。

キエフの大きな門 は感動してしまいました。

やっぱりハープが2台あるといいですね。

レフィーマ(バスドラム)もばっちり響くように調整したし、プレミアのティンパニも本当にいい音です。

今から完成したときが楽しみです。

頑張りましょう~!

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