とうとう音階のお話もこれで最後。
とは言え、これまでもかなりの情報量がありましたので、何度も見返して復習してください!
分からなくなったら「復習」です。
ドイツ音名と英語
ドイツ音名は覚えたでしょうか?
B ベー、C ツェー、D デー、E エー、F エフ、G ゲー、A アー、H ハー ・・・。
おいおい。
H
って何さ?
ちなみに 英語音名であれば B ビー = シ です。
しかし、ドイツ音名だと B ベー = シ♭ なんですね。
紛らわしい!
そして・・・。いきなりの「H」。
実は、これには諸説あってはっきりしません。
有力なのが、シ(英語音名 B)の音の特性に関係があります。
これは、次回の「和音」の話でも出てくるのですが
in C(ハ長調)の場合に、全ての音に「5度上」の音を重ねてみると・・・。
C と G(白い鍵盤でCを入れて5個目) = 黒鍵も入れると 鍵盤は8個。
これが 「完全5度」と呼ばれる音程のなります。
とても美しい、まさに「完全」な響きになります。
さて、
D と A = 鍵盤8個
E と H(英語 B) = 鍵盤8個
F と C = 鍵盤8個
G と D = 鍵盤8個
A と E = 鍵盤8個
さすが「完全」ですな。全て同じ!
さあ、最後の7番目も8個だよね?
H(英語B) と F = 鍵盤7個!
お~い。これだけ鍵盤1つ足りない!
ちなみにこの音程を
減5度 と呼びます。
ぜひ、この音程をピアノなどで弾いて聞いてみてください。
何とも不安定な、ムズムズっとする音程なんです。
でも、人間の感覚ってほんとうに良い加減で・・・。ずっと聴いていると慣れるんですけどね。
さて、まだ音階の形が固まっていない頃。
「Bはなんか知らんがヤバい」
という認識が広がりました。
まだ時代は「モノフォニー」。以前も話が出たグレゴリオ聖歌ですね。
そこで、短音階の時と同じように工夫がされたのです。
それは、B(ドイツ音名も最初はシだった)を美しい響きにするために高めに歌ったり、低めに歌ったりしたそうです。
b
なんか
似てますよね?
実は、b が ♭ と ♯ に変形したそうです。(諸説あるそうです)
ちょっと低めが ♭(よくよく見ると B ビー です)
ちょっと高めが ♯(これ変形・・・?ちょっと無理がないか・・・。)
で、そもそも減5度を避けるために低めに歌うのが定着して
B = シ♭
となったそうです。
ちなみになぜ H ?
b が h に見えて、そのうち区別するためにも「H」がいいね!となって使われ始めたそうです。(手書きですからね・・・)
いや~この歴史を知っていれば、いきなりのHもちょっと楽しいですよね~。
ということで、音階のお話はここで一区切り。
次は和音の話へ。
コメント