不動岡高校は進学校として、大変優秀な生徒が多く集う伝統校です。
そんな素晴らしい学校に勤務して3年目。たまに色々と考えさせられる事があります。というのは「社会で活躍するリーダーの育成」という目標に大いに共感し、そのために様々な学校の取り組みに私自身やりがいを感じて楽しく日々を過ごさせて頂いています。
そんな中で、なんでこんな事をしてしまうの?というようなちょっとした事件が起こります。
その行動の背景には一体何があるのでしょうか。やはり昔から言われる「一流大学を出ても社会で通用しない人」が多々見受けられる、という現実は変わっていないのでしょうか。
もちろん優秀な人材で、社会で立派に「品格あるリーダー」になってくれると確信できる生徒も沢山います。その反面、本当に大丈夫?と心配になることもあります。高校生になるまでに勉強以外の大切な事を捨ててきてしまったのではないか?という疑問が生まれます。
特に男子達。
最初は幼かった1年生が、徐々に学校という社会でもまれてたくましく成長していく。そんなイメージを持っているのですが、その「もまれる」という環境はどこにあるのでしょうか。私は頭を鍛えることは大賛成です。やはり思考力、判断力、理解力は物事を成し遂げるには不可欠な要素ですし、今彼等が一生懸命に取り組んでいる様々な教科はその土台となるものです。
しかしながら、それは十分条件ではありません。
人として魅力有る人間性を身につけ、他者との豊かな人間関係を築き、困難な場面でも前向きに人の前に立つことの出来る。まさに「品格あるリーダー」となるためには何が必要か。もちろんこれに明確な答えはありませんん。生徒の個性に合った、様々な道があることでしょう。
そんな中で例えば学校行事。体育祭では学年を横断して縦割りで競技をして、優勝を争うという貴重な経験の場所。初めて会う人間に先輩として当然のように求められるリーダーシップ。そこで生まれる様々な軋轢、衝突、そしてそれを乗り越えて得られる喜び、感動、達成感。
文化祭ではクラスで協力して作り上げる出し物。
本当によくそこまで凝るね~と感心するできばえ。さらには2日間で7000人を越える来場者に恵まれ、2日間共にてんやわんやなお祭り状態となる。そこで一緒に準備、接客、おもてなしをした仲間と生まれる友情、信頼関係といった人間関係を構築すること。
そして部活動。
学年を越えた関係。
一つの目標に向かって、長期間をかけて努力を積み重ねる事。協力すること。ぶつかり合うこと。真剣になること。その先にある感動。なにものにも代え難い貴重な時間。一生の思い出。最高の仲間。そして必ず経験する「挫折」。最後の最後まで笑って終われるのはごく一握り。でも人間は思いが遂げられない時にこそ成長する。間違い無く。
こういったことを軽く見る風潮が心配でなりません。
保護者が学校に求める一番の要素は「学力」だそうです。それはもちろん全力で頑張ります。大前提です。でもその先も求めて下さい。彼等に一番必要な事は大人から見れば「無駄」な事かも知れません。白球を追いかける、音を出す、歌う、それが一体何になるの?と言われると悲しくなります。
一人一人が豊かな人生を送ること。
それが社会全体が豊になるために必要条件でしょう。
勉強は必要条件の一つ。そこは譲れないと私は思います。実際勉強しかしてない人は本当に心配です。あのままでは大人になって、社会に出て大丈夫か・・・。
心も体も頭も鍛えましょう。
あ、吹奏楽部員は頭ね。よろしく。他は絶対に間違い無く成長していますからね!
さ~気持ちを切り替えて頑張ろう!!
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