令和5年8月29日(火)
本日は午前中が練習。
今日も一生懸命に頑張りました。
午後はもう一人の顧問にお任せして学校を後にしました。
午後は埼玉県吹奏楽連盟理事会。
14時半~17時半ごろまでという会議でした。
前に比べれば大幅な時間短縮です。
議題はコンクールの反省、来年の準備、今週末の西関東吹奏楽コンクールについてなどでした。
最後に出てきた「地域バンド」について。
吹奏楽連盟の中で世の中の「部活動に関する見方が変わった」という現状認識に、先生毎にあるズレを感じています。
でも間違いなく、これまでの「部活動」というスタイルは変わっていくのです。
もしかしたら、今日のような理事会が課業時間内に実施できるのも「そんな頃もあったよね~」って言う時代が来るかもしれません。
かつて、私が教員になりたての頃は、東部支部吹奏楽研究発表会の全日程(5日間)に役員の先生方出て来ていました。
今の感覚とは、相当かけ離れています。
もし現在、5日間ぶち抜きで出張して、自習出しまくったらどうなることか・・・。
絶対「補習しろ~」って苦情がきますね。
当たり前のことですが「時代」は変わります。
そして、その最たる例が「働き方改革」です。
そう。部活は現代の「働き方」にはそぐわないのです。
休日出勤して、部活動手当が2600円。(確か・・・)
今、アルバイトの時給1200円ですからね・・・。
平日も勤務時間以降も部活をやるのが普通。
だって練習終了は18時、完全下校19時ですから。
これも今後、普通じゃなくなるんでしょう。
言われてみればその通り。
吹奏楽連盟の会議も、あったりまえに勤務時間外。
東部支部の会議は始まりが19時半ですからね・・・。
それでも随分短くコンパクトにはなりましたが、もはやそういうマイナーチェンジで対応する次元の話ではなくなってきています。
とは言え、私は部活動を「仕事」として扱うこと自体に違和感があります。
これは私の人生そのものですから、「働き方改革」の価値観とは相容れないのも当然です。
そして、それが通じる吹奏楽が大好きな若い世代の先生もいますが、まさに「働き方改革」を前向きに受け止めて部活動を担当している先生もいます。
いやいや。後者が大多数ではないでしょうか。
ちなみにマクロ(広い)な視点で考えたとき、私はこの流れを前向きにとらえています。
やっぱり無理はいけません。
部活動の素晴らしさは私自身がよ~く分かっています。
でも、この活動量を全国津々浦々の学校にまで当てはめることで不幸になっている教員、生徒がいるのも事実なのです。
頑張れる人が、その人が頑張れるだけやれば良いのです。
しかし、日本の学校教育が(それを実行する側も見守る社会も)絶対視する、教育における公平性の価値観によって多くの不幸を生み出し続けてきました。
みんな同じだけ部活動を出来る訳がありません。
それぞれに生活があります。
ワークライフバランス。
もちろんこれは人それぞれ個人の価値観によりますが、多くの先生方は結婚して、子どもがいて、家庭での役割もあって、と忙しい方が多いでしょう。
そしてその中に部活動がバランスよく存在していれば良いのですが・・・。
私はバランス崩れまくっていますが。すみません。
まあ、それくらい熱中できる素晴らしい活動ではありますが・・・。
そして「コンクール」。
これが決定的です。
金賞を取る吹奏楽部が目標で、そのためにみんなで全力を尽くす。
ライバルとの競争、切磋琢磨による成長が素晴らしい演奏を生み出してきた反面、それが限界を越えていて対応できなかった(しなかった)顧問、生徒に対して「NO」を突き付ける構造になっています。
これは苦しい。
今日の話題で「地域バンド」がコンクールに出る場合の議論に、久しぶりに理事会の場で意見をさせてもらいました。
論点整理が必要だし、連盟としてどう考えるのか、特に責任ある方々の考え方を確認したかったので手を挙げました。
私は、今起きている「部活動の変革」、「地域移行」によって、吹奏楽が「コンクール」という価値観からの脱却するチャンスだと考えています。
そもそも、部活は無くなった地域で楽器を吹きたい人が集まってできた「地域バンド」が「コンクール」を目指そう!と思うのでしょうか?
良い演奏をして金賞を取ろう!という「吹奏楽部モデル」はもはや破綻しています。
コンクールに仕方なく出場している団体も多いのではないでしょうか。
もしコンクールに代わる価値観を提供できれば、喜んでコンクールから離れるのではないかとも読んでいます。
私の考えは、「地域バンド」は集まって一緒に演奏(練習)して、折に触れて地域で、そして演奏会を開催して聴衆から拍手をもらう。
まさに「音楽を楽しむ」が提供できれば、参加者にとって十分な魅力ではないでしょうか。
もしこれから数年経っても、吹奏楽連盟が「コンクール」を基準に「吹奏楽」をとらえていたならば、私は新たな視点に立って「吹奏楽」を楽しむ組織を立ち上げようと思います。
本来は吹奏楽連盟こそ、新たな吹奏楽を先頭に立って模索して欲しいのが本音です。
まあ「百田新党」を立ち上げた百田尚樹さんに共感します。
「コンクール」に代わる価値観を提供するチャンスなのです。
新たな価値観
たくさん演奏会を開催する。
→演奏者も観客もうれしい。
ホールの稼働率は上がり、地域文化の発展に貢献できる。
また、曲数を多くこなすので楽譜も売れる。
専門的な指導を受ける。
→当然ながら学校では先生によって活動、指導の内容は変わります。
しかし、「地域バンド」ではそういう問題が解決できる可能性があります。
専門家を招いて指導することも可能ですし、そのことにより楽器演奏家など専門がのお仕事が増えてより充実した活動につながる可能性があります。
とにかく、今までの吹奏楽の常識をゼロベースで見直す波が来ています。
つい先日、埼玉ジュニアウィンドウィンドオーケストラはそんな理念を実現するために「地域バンド」としてスタートしました。
まだまだ少数での立ち上げですが、これから必ず大きな存在になると確信しています。
そして、私も教員でいる限りは全力で部活動に取り組みます。
今の学校も最高の環境です。
打つべき手は山ほどあるので、一つ一つ着実に改善していっています。
こういう時が一番楽しいんです。
ある程度形になってから、さらにより良い形を追求するのは大変なことです。
加須市フライングカープウィンドオーケストラ
こちらは随分と形になってきました。
合奏に参加する人数はまだまだこれからではありますが、順調に安定して30名は参加してくれるようになりました。
12月の演奏会に向けた練習に、これだけの人数が集まるのは良い傾向です。
とにかく、練習を楽しむメンバーで音楽をやる幸せは格別です。
現在は不動岡高校の卒業生、あとは色々なつながりで団員になってくださっている皆さんがたくさんいます。
でもこれも長期的に続くわけでは無いと考えています。
将来的な「団員募集」を安定させるためにも、ジュニアバンドを持つことは大きなオプションになると考えています。
ということで、埼玉ジュニアウィンドオーケストラは12月の加須市フライングカープウィンドオーケストラ第7回定期演奏会にゲスト出演してもらいます。
小学生、中学生から吹奏楽を大好きになってもらい、その後は大人の吹奏楽団へ。
これが私の目論見です。
このモデルは、以前から言っている「スペイン」の吹奏楽団です。
ちなみに「スペイン」では、ここプロフェッショナルが加わります。
さらに専用のホールもあります。
良いですね~。
夢が広がります。
ということで、今は学校の部活動に燃えつつ、新しい吹奏楽である「地域バンド」、そして一般吹奏楽団でも音楽を楽しんでいます。
これらが有機的に関係性を構築して、みんなが「吹奏楽」を楽しめるようになるために必要なものは
コンクールでしょうか?
長い歴史を持つ吹奏楽ですが、時代に合わせて変われるはずです。
秋山紀夫先生からも「まだコンクールやってるのか!」と言われます・・・。
先生自身が盛り上げたコンクール中心の吹奏楽。
先駆者は「おれが若いころは!」と言って自慢する悲しい存在になる人もいます。
しかし、秋山先生はこだわりなく、さっさと次の価値観へ移動できる心の軽快さはもはやすべてを超越した仙人の雰囲気すら感じさせます。
とは言え、吹奏楽の方向性はもうはっきりと見えているので、あとは模索するために前進あるのみ。
まだ五里霧中。
でも止まっているのはもったいない。
このブルーオーシャンを思い切り楽しもうと思います。
なんだか、だんだん本来の調子も取り戻せてきました。
やっぱり人生は楽しまないともったいない!
思い切り音楽しましょう~!!
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