令和4年2月25日(金)
入試が終わると、採点が続きます。
今年度は何と3日間も設定されています。
ちなみに、社会、理科は順調に1日で目途がつきました。
入学検査の問題を見ていると、時代の変遷を感じます。
とにもかくにも資料が多くて、問題の冊子もA4版で枚数もたくさん。
読むスピードが遅いと最後までやり終えないでしょう。
実際、終わっていない生徒もちらほら見られました。
時間配分は練習しないとできるようにはならないです。
これは、我が家の受験生も一緒。
前期入試
昨日の国公立大学前期入試。
結局、とてつもなく難しい過去問題に不安をかきたてられていましたが、実際の問題は読みやすい問題に変わったそうです。
しかし・・・。
最後まで書き終えられなかったとのこと。
だから練習をしっかりしようと言い続けたのですが・・・。
残念です。
後期試験かな・・・。
何事も練習は大切です。
ウクライナ問題
戦争が現実になってしまいました。
この現状を歴史と照らし合わせると、色々と見えてきます。
ナチスドイツ
1938年10月1日 ズデーテン地方を割譲
ヒトラーはチェコスロバキアのドイツと接している地域のズデーテン地方の割譲を要求。
「ドイツ系民族がチェコ人に迫害されている!」
まだ第1次世界大戦の傷が癒えない、英国(ネヴィル=チェンバレン)、仏国(エドゥワール=ダラディエ)はヒトラーと対話することを選択しました。
ちなみに、この時に英仏が危険視していたのはソ連のスターリン。
真の自由=労働者の権利を実現(現状の厳しい生活は権利が奪われていると主張する)
世界中の労働者を中心とした人々が影響を受けました。
1917 ロシア革命 は欧州だけでなく、アジアを含めて世界中に影響を与えました。
1917 ロマノフ王朝が打倒されて成立したソヴィエト=ロシア は共産主義国家として世界に衝撃を与えました。
この「共産主義」が拡大すること、何より独裁者として君臨するスターリンを恐れていました。
ヒトラーのナチスは「社会主義は敵である!」と宣言していたため、ヒトラーとスターリンがつぶし合って弱体化すれば良いと考えていました。
これが、対独「宥和政策」という決断を導き出しました。
この時に、ヒトラーは英仏がドイツの領土拡大に積極的に介入することは無いと確信しました。
ミュンヘン会談でヒトラーが主張した、
「領土的要求はこれが最後である。」
この言葉を英仏首脳は信じたのです。
1939年3月1日 チェコスロバキア解体。
結局、ドイツにチェコスロバキアは併合されました。
ウクライナ侵攻
プーチン大統領の主張。
ウクライナへ侵攻する根拠は「ロシア人を助けるため!」
さらに、プーチン大統領はテレビ演説で
「ウクライナによるロシア系住民のジェノサイド(虐殺)があった。」(プーチン大統領)
私は初め聞いた話でした。
国際社会には伝わっていなかった情報なのでしょうか・・・。
「ネオナチスト、ジェノサイドを許さない」(ラブロフ外相)
各国が打てる手は「経済制裁」のみ。
国連憲章第7条に基づく「国連軍」は発動したことがありません。
まさに、国連は機能不全といわれるポイントの一つ。
結果的に国連で議論はされて、その後各国が協議して軍隊を派遣したことがあります。
多国籍軍
1950年 朝鮮戦争 初の多国籍軍が成立。
※ほぼ米軍。しかも日本に駐屯していたGHQが、朝鮮半島に転戦。
司令官はダグラス・マッカーサー
時を経て、冷戦が終了すると
1991年 湾岸戦争 多国籍軍を再び編成。
この時も米軍が中心の軍隊。
そして2003年のイラク戦争・・・。
米英を中心とした「有志連合」。各国の賛同が得られず多国籍軍とも呼べない内容でした。
いずれも「悪」というレッテルを貼るのはアメリカ合衆国でした。
北朝鮮、イラン、イラク、アフガニスタン、アル=カイーダなど。
そして今。
明らかに侵略行為を行っているロシアに対してどうも「多国籍軍」は編成されないようです。
ちなみに軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)は加盟国でないウクライナの為に戦争はしません。
隣接するポーランド、チェコスロバキアなどにはNATO軍が展開するようですが・・・。
ロシアと経済的なつながりが大きい欧州各国は、明らかに及び腰。
特にドイツは相当に。
戦争はビジネス
残念ながら戦争は経済的なメリットがあるから実行されます。
近代以降の歴史で「正義」の戦争など存在しません。
今回のウクライナ侵攻は完全に周到な準備によって実行されています。
となれば、どこで終わらせるかまでいくつかの選択肢を用意しながら、着実に手を打ち続けているのでしょう。
さて、単純にロシアの領土を拡大するとロシアに経済的なメリットがどれほどあるのでしょうか?
最新の情報を聞いていると、プーチン大統領にはウクライナの現政権を失脚させる意図があるようです。
ウロディミル・ゼレンスキー大統領
異色の大統領。
ヴァディム=ハットマン国立経済大学法学部で法学士を取得。
しかし、卒業後はコメディアン、俳優として成功する。
「国民の僕」という作品が大ヒット。
一介の歴史教師が紆余曲折を経て大統領になり、様々な政治課題と向き合うという政治風刺ドラマ。
映画も作成されて国民的俳優として認知されると、ドラマと同様にゼレンスキーを大統領にという声が高まる。
2018年 大統領立候補を表明し、ドラマのタイトル「国民の僕」という政党を立ち上げた。
2019年の大統領選は何と44名が立候補するという混乱ぶり。
ゼレンスキー氏の「汚職撲滅」、自由主義、公平な社会の実現が国民に受け入れらました。
何より、ドラマの延長のように感じている国民の後押しが大きかったとのこと。
そして、政治経験の無いゼレンスキー大統領が、約80年ぶりの欧州における大国による侵略に対応しています。
これものちにドラマにできるほど、劇的な展開です。
ゼレンスキー大統領は「徹底抗戦」を主張しています。
上手に納められればの話ですが・・・。
ウクライナの大統領
第4代大統領 ヴィクトール=ヤヌコーヴィチ
親露の大統領。
当時、ウクライナのEU加盟が現実的になりかけていました。
しかし、ヤヌコーヴィッチ大統領はロシアに配慮してEU加盟の調印を見送りました。
すると、EU加盟派の暴動が広がりました。(2014 ウクライナ騒乱)
その中で、ヤヌコーヴィチ大統領のロシアから送られた経済援助、国庫の私的流用(検事総長は1000億ドルの損害を国家財政に与えたとしている)などが明るみに出て、国民の怒りは頂点に達しました。
その後亡命をとなりました。
これを機に、ロシアによるクリミア侵攻、東部侵攻が始まりました。
第5代大統領 ペトロ・ポロシェンコ
お菓子メーカー「ロシェン」のオーナー。
ウクライナ有数の富豪。「チョコレート王」とも呼ばれる。
ウクライナ騒乱の後、大統領に選出されました。
ロシアとの交渉を続けつつ、比較的安定した状態を作り上げました。
今後の展開
2014年 ウクライナ騒乱 → クリミア・東部侵攻
2022年 ロシアによるウクライナ侵攻
約7年越しの軍事侵攻。
プーチン大統領がウクライナの政権転覆。
新ロシア派の政権(傀儡!?)を樹立。
しかしながら、国際社会におけるロシアの評価は地に落ちてしまいます。(すでに?)
ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグ
サンクトペテルブルク開催予定だった決勝戦はパリへ変更。
ワールドカップ・欧州最終予選 プレーオフ
ポーランドとロシアの対戦が予定されていましたが、ポーランド側が拒否
英国・プレミアリーグ チェルシー
先日 クラブ・ワールドカップで優勝した世界No,1のクラブ。
このクラブのオーナーはロシアの石油王アブラモヴィッチ氏。
2月27日に「チェルシーの管理・運営から離れる」との衝撃的な報道が流れました。
20年チェルシーを運営してきた敏腕オーナー。
チェルシーを世界最高のクラブにした人物です。
まだ憶測の段階ですが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響だと言われています。
今後、どのような影響が世界的に広がっていくのでしょうか。
1 客観的に観察し続ける。
2 歴史に照らし合わせて、今後の展開を想定する。
3 日本への影響を検討する。
4 自分たちは何をすべきかを考える。
行動できることはあるのか・・・。
世界中が注目し続ける事。
というのは、もしかつてのベトナム戦争(1965~75 米国がヴェトナムの共産化を恐れて軍事侵攻した。あれ?今回と同じ?)のように泥沼化してしまう可能性もありますから。
そうなればプーチン大統領の政権も危ういはずです。
まさか、ロシア国民がこの戦争を支持し続けるとは思えません。
その後のロシアも相当に混乱するでしょう。
世界平和が今目の前で崩れ始めています。
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