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「老い」を考える

吹奏楽

第13回国際音楽祭inKAZO

を終えて、私自身色々と考えるさせられました。

秋山紀夫先生

御年93歳をお迎えになった秋山先生。

とにかく、何歳になってもそのバイタリティーには感服します。

リハーサルでもずっと立ちっぱなし。
生徒が気を遣って用意した椅子も「いらない!」と言って、1時間以上立ちっぱなしで合奏をしてくださいました。

しかし、リハーサル終了後には自分に「老い」が迫り思うようにいかないという本音を吐露されていました。

実はリハーサルでの一幕。

アルメニアンダンスのある部分で指揮にご苦労なさっていました。
最後にはそれを自分の責任であるとメンバーへ謝罪なさいました。

これには大変恐縮してしまいました。
おおみや市吹だったら、先生にこんな思いをさせた団員の責任!となりますが、さすがに高校生や初めて参加する大人の皆さん相手にはそうもいかず・・・。

さて、これだけの先生が高校生相手に自分の責任を認めることが出来るのだろうか?とそばで見ていて思いました。

演奏会終了後、参加してくださった方からも、「秋山先生が自ら自分の責任を認められたのに感動した」とおっしゃっていました。

演奏者のせいにする指揮者も多いというお話。

プロフェッショナルの演奏家が体験からおっしゃっているので、普段の現場でもそのような場面はときおりあるのでしょう。

この謙虚さ。

様々なことを学ばせて頂いてきていますが、今回は真摯に音楽と演奏者と向かい合う事の大切さ、そして難しさを教えて頂きました。

どんな時でも、自分に責任があれば素直に認める。

心に誓いました。

それでも、90代までそれができるかな~。その前に体が付いていくのか・・・。

なにより、いくつになっても「お声がかかる」ことがすごいのです。

90歳を過ぎても日本中から、コロナが無ければ世界中から呼ばれて飛んでいく先生です。

どうやったら秋山先生みたいになれるのか・・・。

未だに深すぎて判然とせず、次から次へと伝説を生み続けています。

『老い』 ボーヴォワール著

ちょっと興味があって読んでみました。

と言っても、原作ではなくてダイジェスト解説版。

『100分で名著』シリーズです。


大変お世話になっているシリーズ。

さて、ボーヴォワールと言えば「実存主義」の哲学者。

サルトルとパートナーとして、モノ言う学者として様々な活動に参加してきた人です。

ボーヴォワール 1908~1986 『第二の性』で世界中に衝撃を与え、女性解放運動の先駆者として活動した。
「人は女に生まれるのではない。女になるのだ。」は女性を勇気づける名言である。

ボーヴォワール 『老い」は60歳の時に書いた700ページ上下巻の大作。

世界中の「老い」に関するデータを出来るだけ客観性をもって収集して分析をしています。

その内容のほとんどが、「老い」はネガティブなものであるという数々の証拠です。

しかし、それらを良い悪いではなく事実として提示していきます。

「老い」がなぜネガティブに感じられるのか、を彼女なりの解釈で説明します。

非常に明解。

日本でも「お若いですね!」が誉め言葉になっているのは、「若さ」に価値があり、「老い」には価値が無いという証拠と言います。

その根源には「老い」を受け止められない

ここに問題がある、といいます。

肉体的、社会的、そして精神的な老い。

秋山先生も体が思うように動かないとおっしゃっていました。

少し前に肩が痛くて指揮が大変になってお医者さんに診てもらったら

「四十肩です。」

と言われて、倍も生きてるのに「四十肩」だってさ~と楽しそうに言っていました。

まあ、「四十肩」は病名ですから・・・。

先生は間違いなく精神的な「老い」をどこかに置き去りになさっているのではないでしょうか。

また、社会的な「老い」は具体例は「定年退職」

なかなかショッキングな表現で、「社会的死」と書かれていてグサッときました。

確かに、社会から「もう用はないよ」と言われてしまったような感覚に陥るのは想像に難くありません。

最後の「精神的な老い」が最も自覚が難しいとのこと。

いつまでも「気持ち」だけは若い!
というのは良いこととおもっていましたが・・・。

ボーヴォワールの言いたいことは、「老いを正面から、堂々と受け止めよ!」ということ。

これって、それまでの女性解放運動も同じ視点に感じます。

「女性であることを正面から受け止めよ!」

あるがまま、ドグマ(偏見)を持たず、自分自身の人生を生きる。

とても考えさせられました。

自分のやりたいことを、出来なくなっていくのも自分。

そうやって徐々に衰えていく中で、出来る事を一生懸命にやる。

そんな高齢者の皆さんを、次は私ですからと言う思いでサポートする。

世代を越えた、助け合いのバトンタッチが不可欠な世の中になります。

シング2

春休み最後の日に、次男、次女と一緒に映画館に行きました。

公園に行こう!って言ったら、「花粉症だから外にでたくないの!」と・・・。
小学校1年生になる次女はだんだん言うことが大人っぽくなってきました。

さて、映画はとても魅力的で、充実した内容でした。

ディズニーの映画は子どもたちに様々な示唆を与えてくれます。

帰ってから、次男(小学6年生)にどこか面白かったか?と聞くと・・・。

「いろいろ面白かった。」という・・・。

そこで、「あの映画は見ている人に何を伝えたかったの?」

という話をしてみました。

主人公の「ムーンさんについてどう思ったか?」

登場人物たちは何を思い、どのような経験を積み、そしてどうなったのか。

悪役の社長はどんな人(狼!)なのか?

社長の娘は?

など、話をしていく中で少しは気づきがあったかな~?

何より、絶対にあきらめないムーンさん。

普通だったら諦める状況で、誰もが不安に思う中、招待状も無いのにオーディションに参加。

全く計画性なし、行き当たりばったり。

でも、最終的には何とかなっちゃうんです。
大体、こういう時に助けてくれる人(犬とか)がいるものです。

まさに、典型的な「リーダーシップ」のある行動。

他の人ならできない理由を山ほど積んで、何もしないのが通常。

それを自分自身も出来るか出来ないか分からないけど、

やりたい!

という思いだけで突き進みます。

もちろん、映画はハッピーエンドが用意されています。

実際にはそうはいかないかもしれませんが、多分思うようにいかなくてもエキサイティングで充実した人生が待っています。

主人公ムーンさんの挫折(映画なので挫折は短時間ですが・・・)は、そのまま人生の武勇伝。

あの行動力に周りの人間(動物)も辟易しながらも、なんだか惹きつけられるんですよね。
これは、現実世界でも同じだと思います。

とにかく、スケールがとんでもなくでっかくなりましたが、言いたいことはシンプル、かつひねりは全くないので最初から最後まで、水戸黄門並みに安定感のあるストーリー展開です。

子供から大人まで楽しめる、そしてメッセージ性のある映画です。

ムーンさんをずっと応援している富豪の羊さんが

「あなたらしくない!」

この応援が一番響きますね。

自分の人生は、自分らしく生きよう。

ムーンさんと秋山紀夫先生がちょっと重なった気がします。

ぜひ、映画館でご覧ください!

日本語吹き替え版はB’zの稲葉浩志さんが歌っています!
私は昔のB’zが大好きだったので、それも感動を誘いました。

おっと、ネタバレ注意。

さ~私も自分の人生を走り抜けます!

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