令和5年3月23日(木)
Singaporeでの活動も3日目。
公共交通機関を使っての移動にも慣れてきました。
最初は緊張にあふれていた表情も柔らかくなり、新たな環境での様々な刺激を楽しめるようになっていました。
班別行動
今日も午前中は班別行動。
昨日に引き続いて2年生女子と一緒に行動しました。
マーライオンパークで写真撮影、ガーデンバイザベイに行って、SkyWay を歩きたいとのこと。
今回もMRT(電車)を使って、少し歩いてからまずマーライオンパークへ。
すでにツアーガイドのように来ているマーライオンパーク。
どこにトイレがあるか、お店の配置まで覚えてしまいました。
生徒たちはお決まりの写真を撮影して大満足。
ここからガーデンバイザベイまで徒歩。
不動岡高校まで歩くよりは断然楽ですが、20分ほどの散策は結構な運動になりました。
ガーデンバイザベイのチケット売り場でSkyWayのチケットを購入。
人口の木の上に上って、木と木にかけられた橋を歩くだけなのですが・・・。
これが結構地味に怖い・・・。
微妙な高さ、フェンスの低さなど、なんだかだんだん足がすくみます。
実際に1人は怖くて「下は見られない!」と言っていました。
最後の写真撮影も表情が硬かったな~。
十分に楽しんで、昼食はガーデンバイザベイにあるレストラン。
生徒たちも慣れてきていて、英語を使って食事を注文していました。
やはり若いって素晴らしい。
この柔軟さ、そしてチャレンジ精神。なんでもできる!と思わせてくれます。
午前中の班別行動を満喫して、帰りもMRTを使ってホテルへ戻りました。
ラッフルズ女子中学校
今日の学校交流はラッフルズ女子中学校。
サー・トーマス・ラッフルズは東インド会社の職員で、シンガポールの地理的条件から重要な港になると目を付けて開発をした人物です。
このシンガポールの生みの親の名前を冠した学校は中学校ではラッフルズ・スクール(男子校)とラッフルズ女子中学校の2校。
シンガポールを代表する優秀な生徒が集まる学校です。
それは、施設を見て、生徒と交流を持てばすぐに分かります。
1人1人が本当にしっかりしています。
この日はArtWeekという、芸術週間で様々なクラブ活動が発表していました。
到着すると講堂の前のオープンスペースで弦楽アンサンブルが演奏していました。
なんかBGMが流れてるな~と思ったら、生徒の演奏でした。
とんでもなく上手。
900名収容の講堂に入り、荷物を置くとパート(英語ではセクション)毎の交流会となりました。
ゲームなどを準備していて、楽しく交流をしていました。
中にはシャイな生徒のパートもあって、フレンドリーなアンダーソン中学校との雰囲気の違いを感じたパートもあったようです。
これも2校と交流を持てたから経験できたことでしょう。
リハーサルは合同で演奏する作品を、ラッフルズ女子中学校の指揮者イービン先生と私とで交互に合奏しました。
イービン先生はヨン・シュー・トー音楽院をオーボエと指揮で卒業した立派な音楽家です。
とても音楽的で、繊細な指揮をなさいます。
また、今回は合奏を日本語でなさっていました。
この姿勢に生徒の皆さんも刺激を受けていたようです。
シンガポールの吹奏楽では、演奏をキレイに作り込む傾向が強いと聞きました。
そのため、隣の席で不動岡のみんなが元気いっぱいで吹くと、驚いて振り返ることもあったそうです。
やはり、吹奏楽ですので息をしっかりと吹き込んで、倍音をたっぷり含んだ音で音楽を作った方が豊かな音楽になります。
楽器をしっかりと響かせる。
そのためには息をしっかりと取る。
この基本を、目の前で同じ年代が演奏するのはラッフルズの皆さんに大きな刺激になったようです。
ディスコ・キッド
私が指揮をしたのは、イービン先生のご要望で「ディスコ・キッド」でした。
なんでこの作品だったのかは不明でしたが・・・。
そして、SYF(シンガポールのコンクール)を直前に控えたこの時期では練習時間が確保できずに、ほぼ練習しないで合奏に参加していたようです。
しかし、少し時間を取るとあっという間に吹けるようになりました。
その能力の高さは驚くべきものがありました。
彼女たちを本気にさせて、しっかりと指導したら週に2回の練習でも十分立派な演奏を出来るようになると感じました。
不動岡、そしてラッフルズ女子中学校。
生徒の力をどこまで引き出せるか、という重たい課題を指揮者、指導者は痛感する日々です。
あっという間に練習は終了。
生徒同士もしっかりコミュニケーションを取り、気が付けば仲良くなっていました。
のちに、ライバル心か少しコミュニケーションを取りにくかったパートもあったように聞きました。
そんなことは無いんじゃないか~と思っていると、コンサートが終わると仲良く盛り上がっていました。やっぱりね~という感じです。
いや~素晴らしい時間になったとホテルへ帰着・・・。
大事件発生
ホテルに戻ると、何と降りるべき停留所を乗り過ごした生徒がいたとのこと。
とは言え、何度も使っているバス停なので何とかするだろうと部屋で一休み。
さて、夕食はどうするかな~と思っていたところに生徒から連絡。
「○○君がパスポートが無いと言っています・・・。」
なに!?
ホテルの部屋にある金庫にしまってあるはずですよね?
まさかと思い急いで連絡をすると、バス停からホテルまでの間をみんなで探しているとのこと・・・。
行ってみると憔悴した生徒たち。
話を聞けば、ポーチに全財産とパスポートを入れていたそうです。
そしてそのポーチが気が付くと行方不明に・・・。
いや~。やってしまいました。
実は2月に実施したフライングカープウィンドオーケストラの演奏旅行でも、帰国の日にホテル前でバスに乗ると、「あ!忘れた!」と言ってホテルのロビーへ走っていきました。
パスポートの入ったバッグをロビーのソファーに置いてきたという・・・。
気が付かないで空港まで行っていたら。。。
ゾッとしますね。
ということで、パスポートはとても大切。
絶対に落としたりしない工夫をしましょう。
やはり部屋の金庫に入れておくのが一番です。
帰りに忘れない!というのが重要ですが。
また、使わない現金も一緒にしまっておきましょう。
結局、ご家族にお願いして書類を取り寄せて、警察に届けを出して、日本大使館で海外渡航証明書を発行してもらい無事に一緒に帰国することが出来ました。
本人も大変反省していて、とてもいい勉強になったと思います。
とにかく毎日、小さなトラブルが起き続けていましたが、とうとう大きなトラブルが発生。
これで、メンバー全員に緊張が走りました。
パスポートは無くなると帰れませんからね・・・。
私も肝を冷やしましたが、とてもいい経験をさせてもらいました。
いや~びっくり。
そんなことは知らない、他のメンバーは自由にお食事タイムを楽しんでいました。
アクティブな班は、今日はあれ食べよう!と盛り上がっていました。
オーチャードロードまで出れば本当にたくさんのお店があるので、より取り見取りです。
チャレンジして、おいしかったり、辛かったり、予想と違ったり・・・。
私は対応で時間をも遅くなったので、自動販売機のカップラーメンで終了。
まさかのシンガポールでカップラーメン。
でも、この経験を積むために海外に来ているのです。
一番の目的は彼らの成長。
このトラブル一つ一つが、彼らを大きく成長させてくれます。
そして失敗の一つ一つが武勇伝として、彼らの中では長らく語り継がれることでしょう。
いや~疲れました!
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