さてさて。
和音の役割の話に入ってきました。

Ⅰの和音 = トニック(主和音) = 長三和音 C E G
Ⅱの和音 = 短三和音 D F A
Ⅲの和音 = 短三和音 E G H
Ⅳの和音 = サブ・ドミナント(下属和音) = 長三和音 F A C
Ⅴの和音 = ドミナント(属和音) = 長三和音 G H D
Ⅵの和音 = 短三和音 A C E
Ⅶの和音 = 減三和音 H D F
これは復習。
しっかりと覚えましょう~!テストしますよ~!
終止(カデンツ)
K1(カデンツ1)
という名前がついています。
T(トニック) → D(ドミナント) → T
もっとも強力な終止感を持ちます。
曲の最後にこれを使うと、「終わった!」と感じます。
何故かというと、D の中には シ(ド=主音の半音下) がありますね~。
導音!
でしたね。音階(スケール)で学びました。
これが主音へと強いエネルギーを内包しています。
ちなみに、これを
ドミナントモーション
と言います。
作曲では、これを「ここぞ!」と言うときに使います。
スペシウム光線です。
あ、シン・ウルトラマンの影響かな~。
ぜひ、今自分が取り組んでいる作品で「ドミナントモーション」を探してみてください。
1回しかないかもしれません!(あ、課題曲五番にはないですね・・・)
K2(カデンツ2)
T(トニック) → S(サブ・ドミナント) → D(ドミナント) → T
K1に比べて流れが出ます。
これは、実際の作品で見ていけば分かりますが、K1では非常にシンプルで物足りません。
色々と物語があって T(トニック) に帰りたいのです。
数小節の作品じゃさびしいですよね。
K3(カデンツ3)
T(トニック) → S(サブ・ドミナント) → T
これは弱進行といって、終止感は弱くなります。
ちなみにこの弱い終止感のポイントは?
導音 が無い・・・。
もう一回。(復習はとっても大切)
D(ドミナント) → T(トニック)
D=【G H D】 →T=【C E G】
このH → C は導音 から 主音への動きですね。
ドミナントモーション
もう覚えましたね~。
これが強い終止感を生むのです。
代理和音(コード)
「ふむふむ。半音の動きが大切!となると・・・。シ→ドだけじゃなくて、ミ→ファもあるじゃない?」
と思ったあなた。非常に鋭い。
Ⅲ 短三和音 E G H → Ⅰ トニック C E G
H → C の導音解決(主音へ移動すること)がありますね!
ドミナントモーション
ですね。
このように、Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ 以外の和音を、「代理」として使う事が出来ます。
なぜ「代理」できるのか、というと
構成音(3和音を作る3つの音の事)が似ている
からなのです。
例えば
C E G = トニックの代理和音
と似ている(2/3 が同じ音)は
A C E = Ⅵ
E G H = Ⅲ
2つ共通の音がありますね。
ですから、曲の始まりが Ⅰ からが基本ですが
同じフレーズ(メロディー)が2回目は
Ⅵ からスタートも結構いい感じになります。
「え?短調なのに大丈夫?」っておもったあなた。素晴らしい。
この和音は前後関係がとっても大切。
単独で見ると「長調」だったり「短調」だったりしても、流れの中では「別の役割」を担えたりするんです。いや~面白い。
なんと言っても Ⅵ の和音には C(主音 キー)が含まれていますからね。
Ⅰ → Ⅴ → Ⅰ/ Ⅵ → Ⅴ → Ⅲ → Ⅰ
と言う感じです。
Ⅰ と Ⅳ と Ⅴ でも音楽になるのですが、これは非常にシンプルなんです。
ですから、作曲家もいろいろと工夫するようになります。
G H D ドミナントの代理和音
G H D = ドミナント
E G H = Ⅲ
H D F = Ⅶ おお!ここでⅦが使える?
ちょっと工夫をしないと、減5度は強烈なのでそのままでは使えません。
これについては後程。
F A C サブ・ドミナントの代理和音
D F A = Ⅱ
A C E = Ⅵ
もう法則は分かりましたよね。
ぜひ、自分が演奏している作品のスコアを見て、和声分析をしてみてください。
トニックは?サブドミナントは?ドミナントは?
半音進行があるけど、これは「ドミナントモーション」かな?
となると K1 じゃないか?
分からなかった先生に聞いてみてください。
「これってドミナントモーションですか?」
間違いなく、先生は感動してくれるはずです。
そして、この和声が見えてくると、楽曲が本当によく分かるようになります。
和声分析はとってもとっても大切なんです。
ということで、和声第1回は終了!!
次回は第7音が登場。そして移調です!
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