令和6年8月23日(金)
今日も新たな知識を取り入れる時間のたっぷりと取る事が出来ました。
齋藤秀雄著『齋藤秀雄講義録』は読了しましたが、最後が素晴らしかった。
音楽とは、教育者とは、齋藤先生の思いがあふれるお言葉が詰まっていました。
そして、これが『音楽科を成長させる教える技術』と一致しているのに感動します。
演奏家の主体性を育てるには、どこまで教えるのか、「この生徒は?」という判断の正確さ、など刺さる内容ばかりでした。
『音楽科を成長させる教える技術』
毎日のように登場する書籍となっております。
第7章 順序を教える
初心者への指導で最初に気を付けるのは「姿勢」や「楽器の持ち方」とあります。
私も中学校へ指導に伺って、最初に構えてもらった全体の「風景」の印象を大切にしています。
ちゃんと構えていると「上手く」見えるんです。
そうじゃない場合は、まずは立ってもらい、楽器を構えない状態で姿勢をチェックして、良い姿勢の身体に楽器を添えるように構えるよう指導します。
次に同じことを座ってやる。
大体「足」の使い方がまずいので、楽器を構えた状態で立ってもらいます。
この時に足の位置が動く場合はNG。
そのまま立てる足の位置、重心で楽器を構えてもらいます。
大体10分ぐらいで改善します。
もちろん、これを何度も何度も確認して「習慣」になるには時間がかかります。
「特に幼い生徒ほど教えるのが下手な教師から悪い影響を受けやすい。あいまいな指示を推測して理解したり、バラバラな情報をつなぎ合わせたりすることが出来ないからだ。」
はい。
おっしゃる通り!
相手が分かっているかを判断せず、ただただ不正確な情報を伝え続ける。
これは「授業」と同じで、「自分が分かっていない事」はだいたい「あいまいな指示」になり、生徒は理解できないのです。
ですから、一生懸命に練習しているのに成果が出ないのは「指導者」の責任です。
譜読みについて
「中級レベルの協奏曲がうまく演奏できる学生であっても、初見能力が初心者なみというのはよくあることだ」
そうなんですね。アメリカの音楽大学でも同じなのか・・・。
この問題を解決するために学んでいく順序が大切というお話でした。
特に「曲目」の適当な選択の重要性を再認識しました。
学ぶ内容、取り組みやすさ、でも「飽きない」ような工夫。
この「選曲」については、指導者が責任をもって検討することが重要だと理解しました。
私の考えが甘いところが分かり、課題が明確になりました。
その他にも、レッスンが「前向きに成長できる経験であるべき」という言葉は、心に強く響きました。
私達指導者は「課題」を外野のヤジのように伝えるのが役割ではありません。
「課題」を把握し、解決方法をその演奏者に合わせて選択し、やり方を説明、やらせてみて理解させ、具体的に時間、回数などまでアドバイスして、「あとは練習してみよう!」と任せる。
まず最初に「練習したの?」という批判から始まり、何だかよく分からない指摘、方法もあいまい、そして「ちゃんと練習しておいてよ!」で終わる。
最悪の指導です。
「上手くならない指導」には理由があります。
なんとなくつかんでいたものが、この書籍で解像度が増している実感があります。
いや~これはすごい!
これでいいんだ!という自信になる部分と、足りないな~という伸びしろにも気が付けます。
やっぱり読書です。
もっと勉強します!
コメント