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演奏会を考える

吹奏楽
吹奏楽部コンサートに何を求めるか

令和4年4月6日(月)

演奏会を終えて、どっと疲れながらGWの中日の授業を乗り越えました。

さて、今回の演奏会でいろいろと発見、学びがありました。

生徒の成長

何より大切なことは生徒の成長。

この「第8回ファミリーコンサート・第52回定期演奏会」を通じて、吹奏楽部員95名が飛躍的に成長してくれました。

それが一番うれしいです。

3年生

実は、この演奏会にたどり着くまでには紆余曲折がありました。

それはどこの学校も同じでしょうね。

その都度、それぞれが「最善」と思う方策で乗り越えてきました

もちろん、思うようにできたことばかりではありません。

しかし、最終的には「自分たちの演奏会」を大切に思う気持ちに疑いの余地はありませんでした。

それぞれの思いがある中、「演奏会」という目標に向けて「一つの方向を向く瞬間」のエネルギーは見事でした。

やっぱりこれが「火事場の○○力」の正体でしょう。

それぞれの「本気」も大切。

そしてそれが、チームになったときにとてつもない爆発力を発揮します。

元々力のある第59代(現3年生)。

それが、やっと一つの方向を向いて走り出したと実感しました。

この推進力は想像以上でした。

2年生

不動岡の2年生は、常に一歩引いて距離をとるのが通例です。

その中で「自分だったらこうするのにな~」って、ちょっと外野の思いで見守っていたりします。

しかし、ことここに至っては、3年生に任せっぱなしという訳にもいかない。

この大ピンチを乗り切るには、学年なんて言ってられないという「危機感」が2年生を突き動かします。

自分たちで遠慮なく動き出す。

これによって、メンバー全体が有機的につながり始めました。

サポートしつつ、自分からも動く。

これが大切。

1年生

今年の1年生はとっても元気いっぱい

音も元気いっぱい。

何だかよく分からないまま、先輩たちが頑張っている姿を見つめています。

今はそれで良いのです。

この風景が、来年に向けてよみがえるはずです。

「ああ!自分たちの番が来た!」と思うでしょう。

第61代はにぎやかになりそうです。
すでにしっかりと個性を出している人もいるので、これからがとっても楽しみです。

まだまだ出し切れていない人も、そのうち遠慮が無くなるでしょう!

「修羅場」の経験

上記の点から「修羅場」をどれだけ経験したか、が成長には欠かせないということです。

切羽詰まりまくる。

それを前向きに、明るく、元気よく乗り切る!

楽天的に!

そのために、定期演奏会では高い(乗り越えられそうもない・・・)ハードルを設定します。

つまり、完成度の高い、見事な演奏は求めていません。
あ、出来なくていいという訳ではありませんよ。

目指していますが、それは目標であり「至上命題」ではないのです。

完成度が担保できないからやらない、というのが一番いけないと思っています。

そもそも、高校生の部活動に「完成度」は必要でしょうか。

もちろん整った、見事な演奏は素晴らしいです。

でも私は

コンクールとは違う

と考えています。

ばっちりボディメイクした、○○コンテストみたいなのがコンクール。
あれは普段の自分ではありません・・・。

まあ、吹奏楽コンクールも「必殺技博覧会」みたいなものですから・・・。

それに対して、演奏会は自主公演。

お客様は家族、友人、地域の人、興味のある中学生、小学生などなど。

言ってしまえば身内の発表会の延長みたいなものす。

色々と至らない点もありますが、それも拍手してくださる「サポーター」が観客です。

そもそも、私は「完成度」にこだわることが日本の「吹奏楽コンクール」による「罪」だと思います。

そもそも、演奏会は「楽しむ」もの。

完成度の高い演奏を聴きたいのなら、お金を払ってプロフェッショナルの演奏会に行くべきです。

高校生の部活動による発表会で、「上手い」とか「下手」とかいう基準で聴くのは間違いです。

アメリカでの経験

何度も書いていますが、おおみや市民吹奏楽団でアメリカへ演奏旅行へ行ったときの思い出は強烈でした。

先日の定期演奏会でも、演奏旅行でも2曲目に演奏した「シェナンドゥーア」

始まるとすぐに会場中のお客様が立ち上がりました

会場中 スタンディングオベーション です。
思わず客席を見回してしまいました。

「いいぞ!」「素晴らしい!」と体で表現してくれています。

実は、海外では結構演奏中に心の言葉が出ちゃう人が多くて、「Good」とか「Exellent」とか言い続けるんで、日本人的にはちょっと気になったりも・・・。

私はそこからずっと「鳥肌」が立ちっぱなしでした。

演奏会が終わるまで、もう絶対に忘れられない「感動」が刻み込まれました。

私は、それを日本の演奏会でも経験したいと思っています。

会場にいた皆さんは、私たちの演奏が「上手」だからスタンディングオベーションをしてくれたのではありません。

「感動」を体で表現してくださったのです。

演奏者も観客も一緒に音楽を楽しむ場所。

上手だから聴きに行くコンサート

ではなく、「音楽」だから聴きに行くコンサートにしたいです。

価値観

これは価値観の問題です。

私は、不動岡高校吹奏楽部において

生徒の成長

生徒の自主性

生徒の感動、喜び

を活動の中心にした価値観で運営しています。

成長の為には背伸びが必要です。

「こんなの無理・・・」って思うハードルくらいがちょうど良いです。

頭でなんでも考える彼らには、これまでの積み重ねで完全に「メンタル・ブロック」が出来上がっています。

でも、本当は無限大の可能性があります。

それに気が付く経験にするためにも、「出来ない!」が「出来た!」という経験を目指します。

自主性

ステージドリル、アンサンブル、加須レンジャー、パンフレット、ポスターなどなど

演奏会のすべての面において生徒の自作です。

はっきり言って、私が手伝う必要はありません
いや、手伝ったら邪魔ですね。

ですから、頑張れ~、大丈夫!、何とかなる~、良いんじゃない!って言うだけです。

失敗は存在しません。

ですから、思い切りチャレンジして欲しいです。

だって、自主公演の演奏会なのですから。

ここで、保守的になるのはいただけません。

間に合わないかもしれない、完成度が低い(音楽に完成なんて無いんですけどね)、やった経験が無い

なんてことは気にしない!!

やりたい放題にやって、それでも拍手してくれるお客様に来ていただきましょう。

そういうチャレンジをし続けることで、全員が大きく成長できると確信しています。

今回の演奏会で、間違いなくFWOは一皮むけたと思います。

自己ベストは更新しました。

そして、コンクールでも自己ベストは更新されるのは間違いありません。

あとは、その更新がどこまでの結果になるのか。

突き抜けるチャンスがあります。

ぜひ、結果でも自己ベストは更新しましょう!!

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