令和5年5月6日、7日
本日、埼玉県立不動岡高等学校吹奏楽部の定期演奏会が無事終演しました。
私はこの4月から不動岡高校を去りましたが、顧問の先生方のご配慮もあって指揮をする機会を頂きました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
指揮をしての感想
ホルストの「木星」 は冬季演奏会で取り上げた作品です。
1月から約4か月。
ここまで成長するのか!と大きな手ごたえを感じました。
そして、メインプログラムは組曲「展覧会の絵」。
全曲を演奏しました。
定期演奏会では「無謀!」とも思われるようなチャレンジする!というのが毎年恒例のテーマでした。
高校生の演奏会で、こじんまりまとまってどうする!?という思いからです。
思い切り背伸びして、たたらを踏みながら乗り越えていくという経験をしてもらいたくてチャレンジし続けてきました。
今年はハープを2台使う大曲にチャレンジということで、生徒へのアンケートで最も得票数が多かったこの作品を取り上げることになりました。(他の候補曲もみんなすんごい曲ばかりでしたね~)
この四月から、私が日ごろの練習に関われない中での大曲へのチャレンジすることがとても不安でした。
練習時間を頂けたのは23日、30日、そしてGWのリハーサル。
これは例年と変わらない合奏時間かもしれませんが、やはり毎日のコミュニケーションが無い中での練習は不安がいっぱいでした。
それでも問題があるのは常に私の方で、生徒たちは常に先を走っていました。
展覧会の絵
初日も素晴らしい集中力で、指揮をしながら感動していました。
このまま感動的なエンディング!とおもいきや・・・。
私の打ち合わせ不足で「キエフの大きな門」で事故が起きてしまいました・・・。
大変申し訳ないことをしました。
全ては指揮者の責任です。
この課題については、2日目の午前中に時間を頂いて、しっかりと確認をすることが出来ました。
2日間、3公演。
本当に精神的にも、体力的にも限界を越えるプログラムです。
意図的に限界の向こう側にゴールを設定してきましたが、今年は私の転勤もあって本当にバタバタとする中での定期演奏会となりました。
しかし・・・。
私がいたときよりもいい演奏会でした。
いや~、やっぱり「ピンチはチャンス」なんですね。
FWOの「火事場の○○力」を目の当たりにして、驚くばかりでした。
あれだけの曲を1部で吹いて、そのあとの40分。
私の予想をはるかに上回っていました。
至福の時間でした。
ずっと続いていて欲しい!と思う時間でした。
間違いなく、FWOが自己ベストを更新した定期演奏会でした。
ブラボー!!
高校生の可能性
この数日間に経験した不動岡生の圧倒的な集中力を前に、高校生の無限の可能性を確信しました。
私たち大人、特に教員の持っている常識などはるかに乗り越えていきます。
それは不動岡生でも、松高生でも一緒です。
彼らは社会に出て、大活躍する人たちばかり。
少なくとも、その可能性を全員が持っています。
このブログは生徒の皆さんも多く読んでくれているので、あえて私から彼らへの思いを書きたいと思います。
これは、新入部員に渡す冊子「部員心得」で毎年伝えている事でもあります。
FWOの皆さんは、まだ持っていれば見返してみてください。
ちょっと思いが溢れすぎていて、分量が多くなっています。。。
それでも自分で「そうだな~」と納得する内容ばかりです。
常識を越える
中学校まで「先生に怒られない」、「親に怒られない」という基準に行動してきた皆さん。
でも、高校生になったらそれではもったいない!
でも、先ほども言った通り、現代は私たち大人の常識がもはや通用する時代ではありません。
若者たちが、現在ある矛盾に立ち向かって、常識を外れた行動をすることで世界が変わっていきます。
私たち大人が「す・すごい・・・」と引くくらいのことをやって欲しいです。
もちろん、こういうチャレンジはプラスとマイナスが紙一重。
でも、若い皆さんに失うものはありません。
すべてが人生に欠かせない貴重な経験です。
命の危険は避けなければなりません。
でも、「お金と時間」で解決できることは何でもやってください。
武勇伝の一つ、二つなくって成長できるわけがありません。
ですから、私は「学校の型にはまらない!」という生徒が大好きです。
その反発が素晴らしい。
どんどんやれ~と応援しています。(まだまだ新天地では心の中で・・・)
はっきり言います。
「怒られない」という、他人が作った基準を自分の行動規範にして「充実した人生」はありません。
ぜひ、やりたいことをやり切ってください。
「火事場の○○力」を期待しています。
「品格あるリーダー」たち。
私に「一緒にいられなくて悔しい!」って思わせるくらい、最高の夏を過ごしてください。
まあ、すでにそう思っていますが・・・。
「疑うな、信じるな、確認しろ」
様々なことに対して、思考停止して受け入れてはいけません。
「ルールだから守れ」
これが、かつてヒトラー率いるナチ党が政権を握った背景として知られています。
ぜひ皆さんに、ハンナ・アーレントの思想を読むことを勧めます。
『エルサレムのアイヒマン』で、ナチスドイツの蛮行は、普通の市民によって遂行されたという主張しました。
「ナチス=悪」が大前提だった、またハンナ自身がユダヤ人として迫害を受け、それについて人生をかけて戦っていた張本人が、「悪」とは何かを世に問いました。
これが世界を巻き込む大論争になったのです。
つまり、市井の人も歴史に名を残す蛮行を行う可能性があるということ。
その原因は「思考停止」して、ルールを受け入れていったことにあります。
歴史、思想を学べば、組織、秩序を重んじる「ルール」がいかに重要であり危険なものか分かります。
そのような悲劇を繰り返さないため大切なことが、自分の「価値観」を持つことです。
ちなみに、若いうちは自分の価値観を持って行動しているかの判断基準は結構シンプル。
大人から「生意気!」って言われたらOK。
自分の考えを主張する若者ことを、どうしても大人は「生意気」に受け止めます。
これは残念ながら、若者をに対して別人格としての尊重する思いが欠けている大人の思考です。
私自身自戒の念を持って。
ですから、「生意気万歳」
ぜひ、大人の常識に真っ向から勝負を挑んでください。
ちなみに、ユダヤ人はまさにこの気質だそうです。
納得するまで議論する。
まあ、日本風に言うと「メンドクサイ」人間かもしれませんが・・・。
いやいや、ぜひ「メンドクサイ」人間になってください。
ユダヤ民族がどれほど世界で成功し、世の中を豊かにしているかは周知の事実ですね。
ということで、自分の価値観で「確認」。
納得がいかなければその意思を表明する。
これがリーダーです。
決断
結局、自分の人生は他人には責任を取れません。
教員はもちろん、これは親でも同じです。
人生の最後を迎えつつある人に質問をした人がいます。
「人生で後悔していることは何ですか?」
その答えに「やらなきゃよかった」という、行動を後悔した人はほとんどいないそうです。
ほとんどの人が
「あれをしておけばよかった」
と言うそうです。
「あの仕事をしておけばよかった。」、「家族との時間を過ごせばよかった。」、「告白しておけばよかった。」、「謝っておけば良かった。」などなど。
ぜひ、高校生の皆さん。
高校生活で「○○しておけばよかった」と最後に思わないでください。
「私は○○をやった!」
これに結果が伴おうが、賞賛があろうがなかろうが、「金賞」だろうが、全国大会だろうが、関係ありません。
あなたが「決断」して、最後までやり遂げたことに大きな意味があるのです。
今日のコンサートで、皆さんにはものすごい可能性があることが証明されました。
あとは、やるのみ。
ぜひ、振り切って、やり切ってください。
本当に皆さんの事を応援している大人は、そして自ら行動しているリーダーは皆さんのチャレンジを
全力で応援します。
さ~あとはどんだけ突き抜けちゃうか!?
周りの大人をドン引きさせるくらい、突き抜けてください。
それが、皆さんの人生の宝物になります。
自分の人生の主人公は自分自身。
思い切りやっちゃいましょう!!
感謝
このような素晴らしい機会を頂き心から感謝申し上げます。
不動岡高校という学校に11年間も勤務できたことを、改めて素晴らしい時間を過ごさせていただいたこと。全てに感謝申し上げます。
この定期演奏会を指揮して、生徒の個性、可能性大爆発を目の当たりにして、私自身の中でいろいろなことが腑に落ちました。
実は、舞台裏でスタッフのTさんと固い握手をさせてもらいました。
舞台裏で踊っている生徒、演奏者と観客の皆さんが一体になる姿を見て
「だから裏方はやめらんないよね~」
とおっしゃっていました。
私自身、「この感動に勝るものがこの世にあるのか?」と思うくらい幸せな時間でした。
生徒、保護者の皆様、支えてくださった多くの皆様に心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました!
さ~明日からまた頑張ります!!
私も自己ベスト更新していきますよ!!
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