法律の限界 4
思いのほか長大なストーリーとなりました。
今回で最終回となります。
※この物語はすべて事実でお送りしております。
さて、刑事告訴は見送りとなり、悲しい報告を団員の皆さんに申しあげて仕切り直しになりました。その後、少し時間がたってもう一度本人にお話をしてみてはどうか、ということになりました。あれだけ時間をかけて、苦労して、一周回って「自力で何とかする」という方法に戻ってきました。
話し合いは某ファミリーレストランにてセッティングしました。
以前はスタッフ総出で話し合いましたが、今回は圧力をかけるのも問題かということで私が一人で話し合いました。
すると夫婦、乳飲み子を抱えて登場。。。本当に可愛らしい赤ちゃんでした。純粋無垢そのもの。なかなかそんな瞳に見つめられながらは話ずらい内容でしたが、事の経緯をしっかりと夫の方に説明して理解してもらいました。
とても困っている事、また刑事告訴一歩手前まで来ていることをも伝えました。非常に驚き、落胆している様子でした。ちなみに本人は無表情で、謝罪の一言もありません。いや~本当に話は通じないんです。
その後、夫の父親から連絡が入りました。
「全額返済するので、すべてなかったことにしてください。」
息子、孫の将来を考えての判断でしょう。やはり、自分の家族から業務上横領、ちなみにS刑事の話では事件経過から考えて情状酌量の余地なく、金額の大きさからも実刑は確実だろうと言われていました。そのことを伝えたこともあったでしょう。
とにかく、奇跡的に全額が返金されたのでした。
本来ならば泣き寝入りしても仕方がないところが、最後の最後で良心と常識のある人間、責任のとれる大人が出てきてくれて解決に至りました。
ここに至るまであしかけ5年ほど。
その間に費やした時間、経費を考えると気が遠くなります。お仕事として対応してくださった警察官の皆様、そして弁護士の皆様には感謝、また努力が水の泡になってしまい申し訳ない思いもあります。
いずれにせよ、お金は戻ったので良しとしよう、と言える状況になりました。そのことをS刑事に伝えると、「それは良かったですね!」という言葉でした。非常にありがたいお言葉でしたが、その裏には徒労感もあったことでしょう。そして、その後刑事告訴には動きませんでした。これもS刑事の判断でしょうか。
さて。この件は大変大きな学びとなりました。それを皆さんと共有したいです。また、SNSの問題とも重なる、法律に関する本質的な課題です。
題名の通り「法律の限界」は明確にあります。
法律を犯した人間すべてを裁くことはできません。これは物理的にできないのです。
つまり、警察が逮捕して、検察官が立件して、裁判所で裁判する事案は明確に
「裁判で勝訴できる事案」
のみなのです。
また、犯罪を犯す人は悪いと分かっていても、どうにもできません!と開き直る場合があります。
私たち一般人の常識は通じないのです。
逃げも隠れもしません。でも反省も、埋め合わせもしません。居直りですね。
となると、どうにもなりません。一般人の力では・・・。
「君子危うきに近寄らず」
だれでも「犯罪」から距離を取りたいと思うものです。
その本能的な思いは正しいのです。やはり「自衛」が一番。イザトいう時には法律がある、警察がある、裁判がある、というのは間違いではありませんが、一般的なイメージには幻想を伴っているかもしれません。
それを思い知らされた出来事でした。
皆さんも「犯罪」に巻き込まれませんように!特にSNSを通じた犯罪は巧妙です。
老いも若きも、犯罪に巻き込まれませんように!!
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