令和4年3月31日(木)
コロナの影響で思うように活動できない吹奏楽部。
それは日本のみならず、世界各国の音楽愛好家が苦しい日々を過ごしています。
そのような中で、最も気を付けなければならないのが「慣れてしまう」ということ。
音楽できない、発表できない、交流できない。
でも、コロナだからしょうがないよね。
というのは、コロナに負けていると思います。
もういい加減うんざりですが、それでも「できる事」に焦点を当てて行動し続けること。
若者も大人も高齢者も。
今しかありません。
私は常々「次は無い」と思って頑張るようにしています。
実際に、このコロナの影響でその思いはさらに強くなっています。
本来は海外演奏旅行を出来ていたはずなのですが、それはまだ叶いません。
そこで、今できる事は?と考えて映像での参加という形で国際交流を企画をしました。
客演指揮者
日本の吹奏楽を開拓した秋山紀夫先生。
今や、アジアで最も活躍する作・編曲家、吹奏楽指導者の黒川圭一先生。
お二人をお迎えして、不動岡高校の単独ステージ、合同ステージを指揮していただきました。
生徒にとって、様々な指揮者の指揮で演奏することは、とても貴重な経験になります。
指揮者、指導者の個性、音楽性に触れる事。
そして、それぞれの指揮になれる事。
結構クセがありますから・・・。
特に大ベテランのマエストロに付いていく緊張感はとてつもないことです。
黒川先生は的確なバトンさばき、また何度か指導していただいたこともあったのでそれなりに落ち着いて演奏していました。
客演指揮者に指揮していただくことは、普段では得られない貴重な経験になります。
意図した通りに不動岡高校吹奏楽部にとって非常に得難い時間になりました。
映像参加ステージ
シンガポール、マレーシア、台湾、香港、中国、ハワイ、ドイツ。
世界7カ国が映像で参加してくださいました。
中学校、大学生、そして大人と様々な吹奏楽団の演奏が聴けました。
どこの国もコロナの影響がある中で、様々な対策をしていたのが印象的でした。
ハワイでは金管楽器のベルにはカバーがかけられていました。
響きは当然減ってしまっているでしょう。
マスクに穴が開いたものを使用して演奏している生徒もいました。
台湾では演奏者一人一人を透明のシートで仕切っていました。
音の聞こえ方が変化して、お互いを聴き合う事が困難だったでしょう。
そもそも、合奏が2年ほど止まってしまっている国もあります。
そこで、自宅で録音した動画を合わせて合奏動画を作成していました。
不動岡高校吹奏楽部も、かつてコロナで休校期間に生徒が「飛翔」を個人で演奏している動画を作成して、それを一つの演奏動画にしてアップロードしていました。
各国の苦労に比べれば、日本の制限はまだいい方なのかな?なんて感じてしまいました。
一夫楽集房角石吹奏楽団(台湾)
それにしても台湾の社会人吹奏楽団のレベルの高さ。
清水大輔氏に委嘱した作品もかなり難しい印象でしたが、難なく吹きこなしていました。
ちなみに、清水大輔さんからメッセージまでいただいてしまいました。
「生徒の皆さんが表現を大切に演奏している姿に本当に感動いたしました!」
と、本当にうれしいコメントを頂きました。
本当に本人からか!?と疑ってしまいました。
いや~有名な作曲家の方にお褒め頂いて、FWOの皆さんも自信になるでしょう!
ちなみに、清水大輔氏の作品はなかなかハイレベル。
それを難なく演奏してる映像を見て、台湾の吹奏楽は相当に高いレベルにある、ということを実感した人が多いのではないでしょうか。
Nature of Life
いつか演奏してみたい!と思う作品でした。
香港中文大学 音楽学部 崇基吹奏楽団
香港は大学生。
彼らは音楽の専攻生ということで、とてもハイレベル。
ダンソン No.2 (マルケス)
実はこの作品、以前に香港のスクールバンドを指導したときの作品でした。
と、演奏を聴いて思い出しました。
つたない英語での指導だったのに、一生懸命に応えてくれた学生の皆さんに感動した記憶がよみがえりました。
相当な難曲だった記憶があるのですが、大学生の演奏は見事の一言。
ソロがとても魅力的で印象に残りました。
ウェストファーレン・ウィンズ
かつて交流したドイツ・ウェストファーレン・ウィンズのクラリネット5重奏も見事でした。
最初に挨拶をしてくださった団長のファッシュさんが、相変わらず大きかったのが懐かしかったです。
彼はトロンボーン奏者で、ひな壇が抜けちゃうんじゃないかって合同演奏会の時に心配しました。
ちなみに、不動岡高校で練習していた時には「スリッパ大人用の無いの?」って聞かれて困りました。
彼は足のサイズが30センチ以上ありましたから・・・。
とにかくドイツの皆さんはビッグサイズ。
女性でも190センチ以上の方がたくさんいらっしゃいました。
ちなみに、映像ではバクラリネットがアルトクラリネットに見えるくらいでした。
ゲルマン人は本当に大きい。
ちなみに私は、クラリネットの皆さんのフィンガリングが非常に美しいことに注目してしまいました。
ちゃんとしたレッスンを受けていることによる、基礎基本の定着が印象的でした。
ドイツの一般社会バンドのレベルは相当なものです。
まだまだ合奏が出来ない事が本当に残念でしょう。
モアナルア高校 吹奏楽団(ハワイ)
20年ほど前におおみや市民吹奏楽団で一緒に演奏した、エルデン・瀬田先生が指揮者です。
本当に素晴らしいお人柄で、私もとっても楽しい時間を過ごさせていただきました。
エルデンさんも貫禄のある、見事なバトンテクニックの指揮者でした。
またハワイに行きたいな~と思いました。
イポー聖マイケル学院吹奏楽部(マレーシア)、嘉平フィルハーモニー陽光交響吹奏楽団(中国)、アンダーソン中学校吹奏楽部(シンガポール)
不動岡高校と何度も交流してきた団体の皆さん。
特に、マレーシアとシンガポールの両校は制限が厳しくて思うように活動できていませんでした。
でも、懐かしい顔を見られてとてもうれしかったです。
みんな、コロナで苦しい中を一生懸命に乗り切ろうと頑張っています。
世界7カ国と日本の現在地。
これが見られたことも大きな意義があると思いました。
みんな苦労しています。そして頑張っています。
これからどんどん環境は良くなるでしょう。
その時に、幸せを感じる気持ちは非常に大きくなることでしょう。
とにかく、困難な中でのベストなパフォーマンスにブラボーを送りたいです。
国際交流への期待
リアルではなくても、国際交流を持つことが出来てとても気持ちが盛り上がりました。
そして、可能性がある限りしっかりと準備をしていきたい!と決意しました。
まだまだ不確定の要素がありますが、とにかく準備を進めなければ可能性はゼロになってしまいます。
動いてから考える!
あとは修正しながら前進あるのみ!
この演奏会に向けて、本当にきつい練習になっていました。
まさに、修羅場を経験することが出来ました。
この経験が成長には不可欠の要素です。
そして、ここから「火事場の○○力」が出まくって、様々な点で劇的に成長を見せてくれるはずです。
国は越えていませんが、フライングカープウィンドオーケストラやルミナス吹奏楽団、おおみや市吹の皆さんと一緒に演奏出来たことが大きな経験となりました。
練習を重ねるたびに、見違えるような演奏をするようになった生徒が何人もいました。
やはり「交流」はとても大切な要素です。
コロナに負けない。
とにかく進んで行きましょう!!
今回の大きな行事を、大変多くの皆様の協力で成功させることが出来ました。
多くのスタッフが準備を進めてくれました。
本当にありがとうございました!
そして、第14回もお楽しみに!!
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