令和7年6月22日
先日、加須市フライングカープウィンドオーケストラの第10回定期演奏会が無事に終演しました。今回は記念すべき演奏会ということで、これまでの歩みを振り返るテーマのもと、重厚な3部構成でお届けしました。
「ジュビリー序曲」に始まり、「レ・ミゼラブル」「こうもり序曲」「千と千尋の神隠しセレクション」といった名曲の数々。さらには「POPPOPOPPO(はとぽっぽ)」や「風之舞」など、まさに**「歯ごたえたっぷり」**の作品が並びました。

演奏に込めた想い:集中力と事故・・・、そして絆
第1部、第2部は、非常に充実した演奏ができたと感じています。高い集中力を保ち、どの作品も演奏していて心から楽しめました。あれだけの難曲を吹き切る団員の集中力は本当に素晴らしい!
新たに作成したTシャツで迎えた第3部では、プロジェクターで曲目紹介のスライドを投影しながらの演奏でした。このスライドがまた秀逸で、指揮をしながらも思わず見入ってしまうほど。ちなみに、この素晴らしいスライドとパンフレットは、開智未来高等学校吹奏楽部でいつもお世話になっているKさんの作品です。今回のパンフレットは、過去最高の出来栄えではないでしょうか。普段はあまり物を取っておかない私ですが、これは大切に保存しておこうと思います。
さて、さすがに疲労もピークに達し、集中力が落ちていたこともあり、「千と千尋の神隠し」ではかなりの「事故」が多発してしまいました…。
さらに、私の「小幸福」という曲での大失態。4拍子の曲を3拍子で始めてしまい、大混乱を招いてしまいました。おそらく、私が一番集中力が切れていたのだと思います。本当に申し訳ありませんでした。終演後の打ち上げでは、まさに「謝罪会見」を開かせていただきました。次回以降、この経験を糧に一層精進して参ります。
演奏会を振り返ってみると、もちろん課題はたくさんありました。しかし、何よりも毎週一緒に音楽を創り上げてきた仲間と共に、こんなにも素晴らしい時間を経験できたことが、私にとって何よりの幸せでした。
「継続」が育むもの:団員の成長と団の進化
団員の中には、大学を卒業して就職したメンバーも増えてきました。仕事をしながら週末に音楽を楽しむというスタイルを確立することは、決して簡単なことではありません。
それでも、音楽がどれだけ人生に潤いを与えてくれるか、彼らもきっと気づいているはずです。これこそ、年齢を重ねることで得られる貴重な経験ではないでしょうか。若い世代のメンバーと、経験を積んだ大人たちの融合が、加須市フライングカープウィンドオーケストラをさらに充実させていくと確信しています。
大人の音楽の魅力はそこにあると思っています。
5年間の軌跡:自主性とリーダーシップが支える成長
思い返せば、この団はコロナ禍真っ只中の2021年に創立しました。最初は、細々と不動岡高校の施設をお借りして練習が始まりました。設立に向けたオンライン会議が、今となっては懐かしい思い出です。
「高校を卒業しても音楽を続けたい!」という熱い想いを持った仲間たちが集まり、少ない人数ながらも毎週楽しく練習を積み重ねてきました。時には10人程度の参加だった時期もあります。私はおおみや市民吹奏楽団での経験があったので、大人の吹奏楽団の素晴らしさも大変さもよく理解していました。だからこそ、「楽しい、充実した音楽の時間を積み重ねていけば、必ず仲間は集まってくる」と信じ、活動を続けてきたのです。
私が不動岡高校を離れることになった3年目、4年目からは、まさに真の意味で「一般吹奏楽団」としての自立した活動が始まりました。楽器庫の借用、練習場所の確保、打楽器運搬、そしてそれに伴う費用負担の発生…。それまでとは比べ物にならないほどの活動の負担が増えました。それでも、音楽を心から楽しむ仲間たちが試行錯誤しながら、活動を継続してくれました。
節目の5年目には、私自身の職場環境も一変しました。しかし、既に自立運営が確立しているこの団は、私がサポートできなくなった部分を団員たちが自ら担えるようになっていました。これは本当に素晴らしいことです。
私は常々、生徒の皆さんに「自主性」の大切さを伝えています。「誰か」がやってくれていることはたくさんあります。その「誰か」に積極的に名乗り出られる人間こそ、真の「リーダー」です。現在の学校でも「リーダー」の育成がスローガンに掲げられています。そんな「リーダー」として大人になった卒業生たちが活躍する姿を目の当たりにすることができ、本当に幸せを感じています。
多くの「リーダー」に支えられ、あっという間の5年間でした。毎週日曜日の練習は大変なこともありましたが、この5年の積み重ねは、何物にも代えがたい宝物です。本当に大切な仲間と共に、また次のシーズンが始まります。
次なる挑戦へ:継続がもたらす力
残念ながら、次回の第11回定期演奏会は、私はお休みすることになりました。パストラルかぞの会場確保が難しい中、やっと確保できた日が私の入試業務と重なってしまい、どうしても休むことができないためです。今回、ゲスト指揮をしてくださった黒川先生が再び客演指揮としてタクトを振ってくださいます。
私は8月の「桜見っどナイト」、10月の「羽生市吹奏楽フェスティバル」、そして12月の「台湾演奏旅行」に向けて、これまで以上に頑張ります!
「継続」。これこそが最高の力を生み出す根源です。次の5年がどんなに素晴らしいものになるのか、今から本当に楽しみでなりません。
本日ご来場くださいました皆様に心より感謝申し上げます。そして、この5年間を共に活動してくれた団員の皆さんにも、感謝の気持ちでいっぱいです。
少しずつ積み重ねたものが、やがて本物になります。 また来週から、一緒に音楽を楽しみましょう!
本当にありがとうございました!







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