令和6年9月13日(金)
夏休みは読書三昧でしたが、やはり学校が始まるとなかなかそうもいきません。
でもやっぱり活字から得られる知識、そして刺激はこの職業には欠かせません。
時間を見つけつつ読書をしていきます。
『死の淵を見た男』 門田隆将著
思わず手が伸びて読み始めたこの書籍。
東日本大震災は自分の体験としても生々しく、以前に映画「FUKUSHIMA50」を観たときにもショックが大きすぎて、なかなかこのテーマに向かい合う勇気が持てませんでした。
2011年3月11日は自分の担当していた学年の卒業式前日でした。
あの晩は、最後の生徒を見送ったのが23時半を過ぎていました。
どのみち渋滞で家にはつけないと判断して、社会科の先生と一緒に社会科室で寝ました。
一晩中続いた余震の度に目を覚ましました。
その後の原子炉建屋が水素爆発で吹き飛んだ映像も、社会科準備室のテレビで釘付けになりながら見ていました。
その後も様々な情報が報道されて、福島第一原発がどんなことになっていたのか、一応は知っているつもりでしたが、やはり書籍による情報はより一層リアリティがあって、読んでいて涙が止まりませんでした。
夏休みから引き続き読んでいる、『太平洋戦争 最後の証言』で特別攻撃隊について色々と考えた後に、この福島第一原発の事故について知ると、多くの共通点を感じずにはいられません。
どちらも日本を守るために、自らの命をささげた人々がいたという事です。
彼らが極限の状態でも諦めず、自らの命も顧みず、とにかく打てる手を打ち続けた行動があったからこそ、今の日本があるのです。
その行動に感謝しかありません。
「原発なんか作るからだ!」
こういう批判のための批判を耳にすることもあります。
もっともなご意見ですが、なんだかむなしいというか、他人事というか、聞いていて悲しい気持ちになります。
原子力発電所無くして、今日の日本の電力供給は考えられません。
「再生可能エネルギーだ!」という政治家も多いですが、FIT(再エネ賦課金)目当ての「公金チューチュー」政治家、中国との利権で大満足の人ばかりなのにうんざりです。
すでに九州、関西では原子力発電所の運転再開が進んでいます。
これを動かし続けることと隣り合わせの危険は、日本の運命とも言えるでしょう。
この現状で「だから原発はいらない!」と言える政治家はさすがにいないでしょう。
今話題の自民党総裁選でも、それまで「再エネ万歳!」だった方々が、パタッと日本のエネルギー行政について話題にしなくなる辺りが腹立たしい。
中国産太陽光パネル業者とのつながりが強い、某総裁候補の方が突如「原発も部分的には必要」と言うあたりが・・・。
日本の総理大臣大丈夫でしょうか。
ちなみに東日本大震災の時に首相だった菅氏。
いや~もう分かりやすい悪役で、ドラマですか?ってくらいの存在感です。
命がけで対応している人々へ「お前たちに逃げ場は無いんだ!」と言う首相。
さすがに半沢直樹もびっくりです。
そんなひどい環境でも、実際に起きてしまった悲劇に対して、自らの責任を果たすべく全力を尽くした吉田所長以下職員の皆さん。
涙無くしては読み続けられません。
彼らの思いは、80年前戦争中に散った日本帝国陸軍、海軍の皆さん通じるのではないでしょうか。
戦争に喜んでいった兵士はいないでしょう。
そして、全ては日本を守るため!という使命感、責任感のもとに命をささげたのです。
二度と繰り返さないという目的で、意味の無い特攻という愚策を批判することも大切です。
しかし、それに殉じた人々の思いを想像し、今の日本の礎になってくれたことに心から感謝することも大切なことではないでしょうか。
その点、明治以降の日本の為に殉じた英霊を祀る靖国神社参拝を、外国から批判されるのには違和感を感じざるを得ません。
戦争で戦った人を「ただの悪人」のように扱われていると感じます。
世界を見ても、そんな扱いは無いでしょう。
いくら日本が敗戦国だからと言って、そんな理不尽は受け入れがたいです。
話は現代に戻って、福島第一原発で職員の皆さん、自衛隊の皆さん、その他関係者の皆さんが「自分」の事だけを考えて行動して逃げていたら、今の私たちの幸せは存在しないのです。
「ガイガーカウンターが鳴ったら引き返してください。」と指示を受けいていた自衛官は、冷却用水を放水する為に福島第一原発3号機に近づくと、警報が鳴って「引き返さなければ」と思ったその時にある光景が目に入って固まります。
東京電力の職員が、自衛隊の消防車を外で誘導していたのです。
放射線の危険を顧みず外で誘導するその姿を見て、自衛隊の皆さんは事前の指示を無視して最後まで放水したそうです。
引き返せ、と指示された放射線量の場所で、外に立って誘導する人を見て引き返すことは出来なかったと述べています。
自分より、日本の将来を考えた行動。
そんなことが出来るのでしょうか。
でも、実際にそれをした人がたくさんいらっしゃったのです。
今日の当たり前に感謝するためにも、やはり「歴史」を学ぶことは重要です。
あなたの命は誰かが命をつないでくれたものです。
「生きる」とは。
とても考えさせられました。
自分の命を何のために使うのか。
もっと真剣に考えようと思いました。
そんな人たちがたくさんいて、今の自分が生きていることを忘れてはいけません。
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