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打楽器への理解

令和5年1月20日(火)

今日から3年生の特編授業。
3時間みっちり世界史が入っています。
問題演習を例年やっていますが、もう世界史を使わない生徒もいたりして、欠席も増えてきて、結構寂しい感じになります。

今年も欠席が多くて、用意したプリントがかなり余ります。
明日から印刷する分をもっと減らそう・・・。

来ている生徒も忙しく内職をしていたりして、こうなったら希望者だけで授業をしたいな~という思いにもなります。

共通テストも終わったし、私立、国公立の個別入試に向けて余裕もないのでしょうが・・・。
これまでも同じだったかもしれませんが、今年は一層そういう風景が目につきます。
仕方ないんですけどね。

正直な気持ちで寂しいな~と感じています。

ということで、消化試合にしないぞ!と思っていてもなかなか難しい雰囲気。
かつて藤井寺球場のロッテ対オリックス的な。若い人には分からないか。
昔のプロ野球珍プレ・好プレーが懐かしい・・・。みのもんたさんのナレーション。

打楽器の調整

さて、今日は素晴らしい出会いがありました。
木星でやっと日の目を浴びることになったプレミア社製のティンパニ。

絶不調ということで地元の楽器店にお願いすると、プレミアはもう取り扱えませんとのことでした。
代理店も無くなってしまったそうです。

どうしようと悩んでいた時に、おおみや市吹のYさんからマチュア・パーカッションの田中さんを紹介していただきました。

Mature Percussion マチュア・パーカッション
打楽器の修理、お任せください。マチュア・パーカッションでは、主にコンサート打楽器の修理・メンテナンスを行っております。

早速メールで連絡をとろうとアドレスを入力すると、あれ?登録されている??
思い起こすと、講師の先生からご紹介いただいてマレットのまき直しで以前にもお世話になったのでした。

ということで、今回初めて学校までお越しいただいて調整となりました。
おおみや市吹のYさんから、バスドラムも調子が悪いから診てもらったほうが良い、というアドバイスをいただいて、ティンパニ(プレミア社製)とバスドラム(レフィーマ社製)を調整していただきました。

とにかく目から鱗のお話ばかり。

レフィーマは、まずスタンドの状態がよろしくないというところから始まりました。
というのは、演奏中にゆるんで外れてしまうので、針金を使ってぎゅっと縛っていました。

その影響で、バスドラムを抑えているフェルトが胴にきつく当たっていて響きを奪っていたのです。

全部外して、自由な状態でバスドラムを叩くと、もう誰が聞いても分かるくらいに楽器の響きが変わりました。

なんということでしょう。

田中さんのお話だと、バスドラムはスタンドが音を悪くする原因になることが多いとのこと。

ちらっとみた、もう一台のバスドラムも「あのスタンドがダメです」と・・・。
そ、そうなんですか。
以前講師の先生に、このスタンドの開発にものすごいお金をかけていて素晴らしいんですよ。と聞いていたのですが・・・。思い起こすと、それを言っていたのは打楽器の先生じゃなかったな・・・。久喜高校の頃だったかな~。

さらに、チューニングに使うネジのヤマが削れていてしっかりと抑えられていないものが複数あり、それも交換してくださいました。

これまで、ネジは止まらなくなると「ああ交換だね」って感じだったのですが、もっとその前の段階で悪い影響が出ていたのです。

とにかく。本物のレフィーマの音を知らなかったことに衝撃を受けました。久喜高校のころから20年近くレフィーマの音を聞いていましたが、こんな音を聴いてきませんでした・・・。

これまた18年前の遠い記憶ですが、久喜高校に着任してすぐバスドラムの足が小学校で使うようなX字のモノで、これではと変えてしまったような。

実は、あのX字が一番いい音がするそうです。
う~ん。扱いは大変そうですけど、音は良いという点が一番重要ですね。

ティンパニ調整

そして、ティンパニへ。

作業を見てお話を伺うと、よろしくない応急処置(テープを張ったり、いろいろと苦労の跡がありました)をして、それらがすべて悪さをしていたとのことでした。

そもそも、このプレミア(イギリス製)のティンパニはとてもシンプルでお値段もお手頃なのだそうです。(ティンパニ的には)

しかし、胴に関しては一枚板から打ち出していて非常に高級な仕上がりなのだそうです。
そのほかの部分をできるだけシンプルにして、お値段を下げた結果、冷戦時代の共産圏ではみんなプレミアを使用していたそうです。

つまり、安くていい音ということです。

私も音を聞く限り間違いなくプレミアのほうがいい音だと思うのですが、生徒からは「クラッチシステム」が不評でYAMAHAがメインになってきました。

また、田中さんのお話だと演奏者への返しがYAMAHAの方が圧があっていい感じがするんだそうです。
離れて聴くと全然違うんですけどね。

そこで驚いたのは、世界では「クラッチシステム」が主流とのこと。はやくクラッチシステムに慣れたほうがいい!というお話でしたが、不動岡の生徒がYAMAHA以外のティンパニをたたく日がくるのかは不明ですけどね・・・。

ちなみにこのシステムはアメリカ(ラディック社)の開発して、とてもいい音が出るので世界を席巻したそうです。

しかし、YAMAHA社はアマチュアをターゲットにしため、より頑丈に、より調整をしなくても状態が維持できるように進化したそうです。

田中さん曰く、最初のYAMAHAのティンパニが一番いい音がするそうです。
なぜならば、音で世界に対抗しようとしたからだそうです。

ちなみに、本校にあるYAMAHAの一世代前5番代が最初の世代の次に良いそうです。

ハンマードコパ(胴が鱗のようになっています)が良い理由かと思いきや、そうではなくてリムだそうです。

胴だけでは音の違いがそれほど出ず、7番代(最上級モデル)のリムを使用したとのこと。

実は7番代は色々大人の事情でよろしくない状態になり、実は5番代が一番良いのだということでした。

そして、最新の世代にもペダル部分にローラーが装備されたり、音よりも使いやすさの方向に進化してしまったとのこと。

ちなみに本校のYAMAHAにセットされたヘッドは特殊で、本来はこのヘッド用のチューニングが必要なのにそれがされていないので、この楽器、ヘッドの持つ力は発揮されていないとのことでした。

田中さんはリペアの学校で講師もなさって、多くのお弟子さんも抱えていらっしゃるとのこと。
大人の事情でなかなか知られていない、本当のお話をしてくださったのだと思います。

知らないということは、本当にもったいないことだなと認識しました。

実際、日本フィルハーモニーのティンパニは目の前でしたがクラッチシステムでした。ヘッドは本革ですが。

そして、別物の音がしていました。
演奏者が違うから・・・と思っていたのですが、楽器の状態による面も大きいのかもしれません。

もっと勉強をしようと思いました。

今後はプレミア社製をメインにしていきます。
次回もYAMAHAの調整、また他の楽器も見て頂こうと思います。

本当はずっとお話を伺っていたいくらいに楽しかったです。

これも歴史。
打楽器も相当に奥が深いですね~。

常任理事会

午後は常任理事会があって、急いで到着すると「今日は3時からですよ!」ということで外で待機。

2時半だったり、3時だったり・・・。
事前にちゃんと確認します。

私は常任理事として、これから先の吹奏楽について思うがままに提案させていただいています。

「言ってることは分かるけど、誰がそれをやるの?」

というご意見を頂戴します。

PDCA(計画・行動・確認・改善した行動)

と言いますね。

まずはP(プラン)です。
私が一番課題に感じているのは、吹奏楽連盟では5年、10年という中長期の課題検討がなされていないことです。

コンクール、アンコンなど目の前の課題をこなすだけでは、時代の変化に対して後手後手に回ってしまいます。

そもそも、吹奏楽連盟はイベントがメインの団体ではありません。

まだ今ならば機動的に動けば出来る事はたくさんあります。

大会の運営の仕方、会議の持ち方、組織のあり方、そしてお金の使い方。

全てをゼロベースで見直す良い機会です。
思い切ったダウンサイジングが必要です。

足し算しまくって、しかもまだマンパワーに頼って何とか乗り切っています。

大会運営は、課題で言えば「緊急性の高い問題」の部類です。

出来るだけこの重みを軽くして、「将来につながる課題」に対して時間、人を割くべきです。

もちろん、これを誰も理解しつつ、行動を起こせないという現状は私も分かっています。

これについて私に決定権はありません。
ですが、課題を認識していながら放置もできません。

ですから言い続けています。
もちろん、役割を任せられればやります!

私の役割は、東部支部長です。
ということで自分の任されている東部支部から行動していくだけです。

何だか、国政と地方行政みたいな関係に感じてしまいます。

結局、出来ない理由をいくら挙げても何も変わりません

はじめの一歩

ここを組織的に、システマチックに進めることはできません。

まずはマンパワーです。

思いを一つにするメンバーで突き抜けるしかありません。

ベンチャービジネスと一緒ですね。

その点、今年度は東部パートレッスン、東部支部吹奏楽団と本当に楽しく活動させてもらっています。
吹奏楽部顧問の先生だけでなく、講師の先生、卒業生にも手伝ってもらっています。

学校の先生は色々と大変。
この枠組みを越えると、見える世界が劇的に変わりました。

そして、東部支部のための活動が、自分の一番大切な不動岡高校に正の相乗効果を生むことが分かりました。

分かっていましたが、実際にその効果を得られました。

成功の3つの原則。

「協力」、「継続」、「貢献」

一番、実行の段階で感じにくい「貢献」が日々自分に戻ってくる点に、幸せを感じています。

これが行動の活力源です。

私には連盟全体を変える力はありません。
でも、自分のいる地域ならばなんとかなるのではないかと期待しています。

そんなことを強く思った会議でした。

いや~結構孤立してます

分かっていることを言われるのは誰でも癪に障りますからね。
「宿題やったの?」的な。

生産性の高い会議。
になるといいな~。

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